「倒産」「転職」──モチベーションの谷底から這い上がった自分史
「人に喜ばれる存在でありたい」その思いがすべての原動力に
2025年7月24日 公開
[Eguchi編集部]
「順調に見えた20代」──倒産で一転、谷底へ
「就職して、安定した未来が見えていた。だけど、すべてが突然、崩れ去った」──26歳で経験した勤務先の倒産。それが、人生を大きく揺るがした出来事だった。
フリーターからIT職に就き、そして正社員として働き出した20代前半。彼のモチベーショングラフは、まさに上昇気流にあった。しかし、入社から2年後、会社が突如として倒産。仕事も、生活も、信頼も一気に失い、精神的にも大きく落ち込んだ。
「何もかも終わった気がした。働く意味も、自分の価値も分からなくなった」
「再起と転職」──支えてくれたのは、資格。
人生で初めて味わった大きな挫折。その谷底から彼を引き上げてくれたのは、「資格取得」だった。職を失ったあと、自分に何ができるのかを見つめ直す中で、「資格があれば、また社会とつながれる」と信じ、勉強を始めた。
当時の勉強は孤独で地道だったが、努力は実を結び、再就職に成功。26歳で新たな職場に入り、再び仕事へのやりがいを取り戻していった。
「知識は裏切らない。学んだことは必ず、自分の力になると実感した」
「自分の人生を、自分で選ぶ」──WEBの世界への選択
ところが、28歳でまた転機が訪れる。今度は、自らの意志で会社を退職。周囲からは驚かれたが、「働くとは何か」を考えるなかで、「人のために動ける人生にしたい」という価値観が強くなっていた。
「仕事のために生きるのではなく、人の役に立つために働きたい。その軸を持たずに進んでも、また同じことを繰り返すと思った」
「スプレッドシートとの出会い」──ITで仕事と人生が変わる
そんな中で出会ったのがGoogleスプレッドシートだった。最初はただの表計算ツールと思っていたが、「関数を使えば手作業が一瞬で終わる」「複数人で同時編集できる」など、今までにない可能性を感じた。
勤怠集計、営業管理、プロジェクト進行──あらゆる業務にスプレッドシートを取り入れ、次第にその力を業務改善だけでなく、業務の“見える化”と仕組み化にも活かすようになっていく。
「最初は苦手だったけど、“仕組みが人を助ける”と実感してからは、もっと学びたくなった」
「WordPressとの出会い」──自分のメディアで伝える力を手に
次に出会ったのが、WordPressだった。「もっと自分の経験や考えを発信したい」「地域の情報を届けたい」という思いから始めたブログ運営。最初は手探りだったが、テーマ設定やプラグインの導入、SEO対策などを学び、次第に“伝える力”を身につけていった。
とくに嬉しかったのは、自分が書いた記事が人の役に立って「ありがとう」と言ってもらえたこと。リアルな接客とは違う形で「誰かの力になれる」感覚が、彼にとっては大きな原動力となった。
「誰かの“困った”に、自分の言葉や仕組みで応えられることが嬉しい。これも一つの“人のため”なんだと気づいた」
JC入会で再び見つけた“居場所”と“使命”
30歳でつくしJC(青年会議所)に入会。地域活動や社会貢献を通して、彼は新しい人生のステージに立った。
地域の人たちと関わり、仲間と共に目標に向かって動くなかで、「人のために動く喜び」を再確認。過去の失敗や挫折があったからこそ、今の充実があると語る。
「過去の谷は、未来の力になる」
かつてモチベーションの谷底にいた彼が、今は人を励まし、地域を元気にする存在となっている。倒産や退職など、普通ならネガティブな体験が多い20代だったが、それがあったからこそ、自分の価値観と向き合えた。
「過去の自分に伝えたい。“その谷は、いつか誰かを支える力になる”って」
JCとITの力で、地域に新しい循環を
これからは、JC活動で得た人とのつながりと、スプレッドシートやWordPressで培った“仕組みをつくる力”“情報を届ける力”を掛け合わせ、地域の未来に貢献していきたいと話す。
「人の役に立ちたいという想いが、ツールや仲間によって形になった。これからも、喜ばれる存在であり続けたい」